元ランナーの捜査日誌

日常のお話です。(今後未定)

お一人窓際特別捜査本部の誕生秘話

f:id:Sphingoid:20170214170045j:plain我が捜査本部は、昔は捜査員4人、捜査補助員3人で構成され旺盛な捜査を繰り広げてきた。意見の相違はあったもののそれなりの協力体制でやってきて、それなりの成果もあった。
 

 ちょうど4年前そこそこ大きい事件の一部を解決し、俺はそこそこの注目を浴びるようになったが、それから意見の相違が目立つようになり、協力体制は崩れてきた。

 捜査路線の相違は大きいものであった。そもそも事件の一部を解決して注目を浴びたどたん掌返すようにそれぞれの捜査員がそれぞれの捜査路線で事件解決に向け捜査を続けてきた。

 色々な捜査路線が乱立する中、俺は自分の捜査路線にどんどん自身感を失い、新たな捜査路線で3年間空振りばっかりだった。その他の捜査路線も全くと行っていいほど結果を出せない中、機関長の大ナッタにやられてしまった。

 一人ずつ離れ離れになった。2人が捜査員をやめ、転職し、一人が首になった。捜査補助員は違う事件に配属され、俺も俺の部下も追い込まれた。俺は部下のために異る捜査分野に推薦し、移動となった。自分の捜査路線を信じて推進していくべきだったと後悔したが、遅かった。

 俺も首当然だったが、僅かな実績もあり、窓際に配属された。部員は俺だった一人。お一人窓際捜査本部であった。

 昨年は、本来の捜査路線に復帰し、頑張った。犯人と黒幕を逮捕したが、証拠はまだ不十分で、ことしは勝負に出た。俺の捜査路線を揺るぎないものとし、確固たる信念を基に、捜査は順調に進んでいる。失った信頼も大分取り戻した。

 そして、昔々、俺の捜査路線を否定し続けた同僚捜査員の起訴文が、なんとかしてほしいという機関長のメッセージと共に、僕の手元にやってきた。有罪のところか、既に3回も負け続けてきた起訴文であった。読んでみると論理もクソもなかった。こりゃ負けるわ・・。