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婆抜き

捜査日誌 文句

今日はちょっとむずかしい話。

 

婆抜きやっています。

英語ではOld maid というらしい。

 

何の婆抜きかというと、タンパク質の構造を決めるアミノ酸に関する婆抜きです。

例えチロシンがリン酸化した効果を検証しようとしよう。チロシンを構造が似ているフェニールアラニンに置換します。フェニールアラニンはリン酸化されませんので、リン酸化の効果がわかるというわけ。一個なら簡単ですけど、複数のチロシンなら誰が犯人(婆)なんだ?

結果、全てのチロシン俺が俺がを合唱してしまいました。ほんまにおまえか?
いやいや、全てと結論付ける勇気がありませんな。そもそも、チロシンのOH基は水素結合に使われる場合もあって、リン酸化関係なくタンパク質の構造が崩れる場合があるんです。

それで仕方なくグルタミン酸に置換しました。ほんまのこというとリン酸残基を真似ることは側鎖の長さが合わず厳しいことですけど、まぁ、しょうがないや。アミノ酸って20種類しかあらへんし。試したところ俺が俺がという現象は1つに絞られました。まぁ、これもこいつが犯人ですと結論付けることがなかなか勇気あるということで、その犯人を軸に共犯者を探り出す作戦に入りました。そこで相棒がやらかしてしまい、今日もその後始末に追われる日々。゚(゚´Д`゚)゚。

今度は違う種類の婆抜きです。タンパク質は度々disulfide bondという共有結合を通じ、二量体を形成したりします。Disulfide bondはシステインというアミノ酸が酸化され作られる。容疑者4人(システイン4残基)がいてお試しに、1個ずつ潰してセリンに置換しました。ありゃりゃりゃ、disulfide形成されないところか、むしろ促進されますね。こちらも共犯者をコンビネーションで潰す羽目に・・・。

自然界にこんなケースってあるかとしらべたところありましたね。多発性内分泌腫瘍症2型という家族正疾患の原因遺伝子がそうらしい。MEN2A変異(Multiple Endocrine Neoplasia Type 2A)の中ではシステインがアルギニンに置換された変異があって、その結果、遺伝子産物であるc-RET tyrosine kinaseが二量体を形成するらしい。GDNFというホルモンに反応するこのタンパク質、ホルモンなくてもずっと活性化してしまう。癌になるわけだ。

(´Д`)ハァ…個人的にこの婆抜きは大変興味深く、楽しさ満喫していますけど・・・・。
楽しさ満喫は2の問題で、窓際脱出するにはシンプルに思い描いてる結果を出してくれよ。゚(゚´Д`゚)゚。

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