元ランナーの捜査日誌

日常のお話です。(今後未定)

俺流メンタル論

シーズンも早々終わりに近づくこのごろ。

良い記録のランナーも残念な記録のランナーも・・・。

いつもいうが、偶々上手く運んだレースより課題が残ったレースのほうがいいこともある。

この課題ということなんだが、課題を不明にさせることがあって、それがメンタル論。

あのときあのとき、撃沈に差し掛かったあの時、メンタルさえ保ってたら、乗り越えったんだろう・・・。

そもそもメンタルって、精神力のことだろうけど、精神力で撃沈を防ぐことは可能だろうか。

 

ラソンはendurance sportsであり、持久力(endurance power)が要求される。まぁ、言葉とおり我慢だ。止まる脚を動かせることが我慢なのか、脚が止まる原因が痛みであって、そこを我慢すれば脚が動くのか、よくわからない。

そもそもメンタルって鍛えることが出来るんだろうか。修行してみる?
アーチェリとか、射撃選手は、興奮したり、冷静さを失うと、的を外してしまうので、座禅とかするらしいけど、マラソンでは、前半のオーバーペースを除けば、アドレナリン出たほうが良さそうな気がする。


骨格筋が送っている「ヤバイよヤバイよ~」シグナル

骨格筋は収縮するのが仕事で、弛緩するのは仕事ではない。腕を折りたたむときは上腕二頭筋が収縮するし、腕を伸ばすと上腕三頭筋が収縮する。意識的に筋肉を弛緩することは出来ない。痙攣すると縮みっぱなしになるし、肉離れ(Pulled muscle)になると縮まなくなる。いずれにせよ、痛い思いをするので、骨格筋は疲れると「ヤバイよヤバイよ~」シグナルを脳に送り、脳は骨格筋の運動を制限する。また、痛みは「ヤバイよヤバイよ~」シグナルを増強させる。豆ができると「ヤバイよヤバイよ~」シグナルはより強くなる。
逆に、「ヤバイよヤバイよ~」シグナルもないのに、脳がヒートアップすると脚は止まる。真夏によく経験することだろう。


メンタルはどうしても鍛えられないのか


そんなことはない。メンタルは経験で鍛えられる。
非人道的な話だが、スパイの自白をもらうには痛みを与える手法が用いられる。人間、所詮は弱い者。多かれ少なかれ、痛みを与えると嘘でも自白をする。死に直面すると、人間も動物も同じで、生きるための行動を取る。生まれ持ったメンタルはない。なので、死に直面する可能性が強い職業の人、例えば軍人か消防士かは、訓練をする。厳しい状況に置かれる訓練を経験すると恐怖感が減って、「ヤバイよヤバイよ~」シグナルが抑えられるので、火事や戦争のような劇的な条件下でも、理性を持った行動ができるようになる。
ラソンって、たかが趣味なのに、そんな訓練するだろうか・・・。


火事場の馬鹿力で骨が折れる

 

皆知っているだろう、火事場の馬鹿力の話。命は救われても、骨は救われない。多く骨折を経験する。筋肉が収縮する力は皆さんの想像力を遥かに超え、骨が折れるほどである。なので脳は常に「ヤバイよヤバイよ~」シグナルに敏感。稀にマラソンで骨にひび入れる人もいるのはいる。

 

 

日頃の練習=メンタル、限界を感じた時こそ、一歩1秒を絞り出せ!

なので、脳にヤバくないことを学習させる必要がある。だとしでも常に42.195kmがヤバくないことを学習させることは、故障リスクもあるだろうし、極めて困難であろう。ベンチプレス3回3セットの最後、プルプルになったときのプラス1回が大事なように、週1-2は速いテンポで走って、限界を感じる時こそ、一歩踏み出し、1秒を絞り出す。これであなたの脚から出る「ヤバイよヤバイよ~」シグナルは弱まる。


写真は昔この頃のものです。

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