ランニングフォーム構築におけるインターバルトレーニングの重要性
ランニングフォーム構築におけるインターバルトレーニングの重要性
Significance of an Interval Training in The Development of Running Movement
➖Journal of Running Life―
起訴文形式にしてみようかと思った土壇、一気に面倒くさくなったので、適当に散らかす。
9月インターバルトレーニングの分析結果である。
1.捜査戦略
1-1.基本ランニングフォーム
Nicholas Romanovが提唱したPose methodに基づいたランニングを中心にトレーニングを行った。
1-2.インターバルトレーニングの概要
・Peter Thompsonが提唱したインターバルトレーニングを基軸とし、週2回、計6回のトレーニングを行った。
・スピード走400m―リカバリー200mを1本とし、最低8本以上行った。
・リカバリーにおいては、90spm/2以上を維持し、維持できない場合はトレーニングを中断した(撃沈である)。
・スピード走はC partとS partを大別し、奇数本はC part走、偶数本はS part走を行った。
・C partは主にケイデンスに集中して走った。注意事項として、楽なPull、上下動の抑制、コンパクトなムーブメント、股関節を軸として脚を振らないように(ピストンの動きをイメージして)気を配った。
・S partは主にPullに集中して走った。注意事項として、楽なケイデンス、短いコンタクトタイムを意識した。C partと同様、股関節を軸として脚を振らないように注意した。
1-3.測定
400mにおける平均ケイデンス(spm/2)と時間(秒)を測定した。ストライドはケイデンスと時間から計算した。測定値はOne way ANOVA、Dunnett’s multiple comparison testにより検定した。(*, P<0.05; **, P<0.01; ***, P<0.001)
2.捜査結果
2-1. 6回のインターバルトレーニングにより、ランニングパーフォマンスが有意に改善された。
400mおけるランニングタイムは初回目108.4秒から6回目100.8秒と有意に短縮され、7%のパフォーマンス改善が認められた。ケイデンスは1.6%増加し、ストライドは13.1%増加した。
2-2.C partとS partの繰り返しは主にケイデンスの改善を促す。
データをC partとS partに分けたところ、ケイデンス及びストライドは主にC partにおいて有意に改善され、S partにおいては改善が全く見られなかった。これは予想外の結果で、非常に興味深い現象であるが、C partのみ行われたデータが無いため、C partの成績改善が、S partの影響を受けたかについては不明である。しかし、Pose methodが提唱しているメカニックに基づき、Pullを軸とする練習がケイデンスの改善につながったことを否定できる根拠は見当たらない。さらに、C partにおいてケイデンスのみならず、ストライドの著しい増加が認められたため、本トレーニング方法はランニングのフォーム並びにパフォーマンスの改善に、有効であると考えられる。
3. 考察
ランニングムーブメントの原動力は、主導筋であるハムストリングの収縮に加え、助動筋である内転筋、さらに拮抗筋である中殿筋の働きが、バランスよく噛み合わせることで最大限のパフォーマンスが発揮できる。よりストライドを伸ばすため、バネの強化やコアーの強化が勧められているが、基礎の乏しい市民ランナーにおいて、これらの筋肉群を発達させても、ランニングにどのように使うかの、技術的な問題が露呈されている。
本捜査では、主導筋であるハムストリングの動きを極大化するインターバルトレーニングがケイデンスやストライドの改善をもたらし、ランニングパーフォマンスの改善に繋がることを実証した。
4.捜査の限界
本捜査はPose methodを習得したランナー一人分のデータであり、すべての市民ランナーに適用することは無理である。また、ランニングパフォーマンスはランニング動作以外の内・外的要因(気温、湿度、栄養や疲労状態など)が影響しやすいため、より幅広い捜査が必要である。