お一人窓際特別捜査本部の誕生秘話
我が捜査本部は、昔は捜査員4人、捜査補助員3人で構成され旺盛な捜査を繰り広げてきた。意見の相違はあったもののそれなりの協力体制でやってきて、それなりの成果もあった。
ちょうど4年前そこそこ大きい事件の一部を解決し、俺はそこそこの注目を浴びるようになったが、それから意見の相違が目立つようになり、協力体制は崩れてきた。
捜査路線の相違は大きいものであった。そもそも事件の一部を解決して注目を浴びたどたん掌返すようにそれぞれの捜査員がそれぞれの捜査路線で事件解決に向け捜査を続けてきた。
色々な捜査路線が乱立する中、俺は自分の捜査路線にどんどん自身感を失い、新たな捜査路線で3年間空振りばっかりだった。その他の捜査路線も全くと行っていいほど結果を出せない中、機関長の大ナッタにやられてしまった。
一人ずつ離れ離れになった。2人が捜査員をやめ、転職し、一人が首になった。捜査補助員は違う事件に配属され、俺も俺の部下も追い込まれた。俺は部下のために異る捜査分野に推薦し、移動となった。自分の捜査路線を信じて推進していくべきだったと後悔したが、遅かった。
俺も首当然だったが、僅かな実績もあり、窓際に配属された。部員は俺だった一人。お一人窓際捜査本部であった。
昨年は、本来の捜査路線に復帰し、頑張った。犯人と黒幕を逮捕したが、証拠はまだ不十分で、ことしは勝負に出た。俺の捜査路線を揺るぎないものとし、確固たる信念を基に、捜査は順調に進んでいる。失った信頼も大分取り戻した。
そして、昔々、俺の捜査路線を否定し続けた同僚捜査員の起訴文が、なんとかしてほしいという機関長のメッセージと共に、僕の手元にやってきた。有罪のところか、既に3回も負け続けてきた起訴文であった。読んでみると論理もクソもなかった。こりゃ負けるわ・・。
おもちゃ
大人の・・・
いやいや違う・・・。
くだらない想像をしてはいけない。
少なくとも構造解析のスペシャルリスト捜査員達が使う武器である。
が、僕には単なるおもちゃ・・・。
実は昨年からこれを楽しんでいるが、ぐーんと捜査のテリトリが広がる。
自分でつくった結晶構造なら感動するんだろうな・・。涙ウルウルするだろうな・・。と、思いつつ。構造をグルグル回しながら(・∀・)ニヤニヤ・・。
昔はハードルの高いUnixでしか使えなかったものが、今はWindowsとかマックでも使える。遊びたけりゃ設置したまえ!
しか~し!Python moduleをインストールしないといけないのでちょい面倒くさい。
詳しくはこちらを
http://www.protein.osaka-u.ac.jp/rcsfp/supracryst/suzuki/jpxtal/Katsutani/install.php
捜査員たちの血と涙の結晶!名の通り、結晶のX線解析ファイルはこちからダウンロード出来る。
RCSB Protein Data Bank - RCSB PDB
(´Д`)ハァ…遊びすぎた。゚(゚´Д`゚)゚。
元ランナーにはマラソン優勝すると被れる月桂冠に見える(・∀・)ニヤニヤ
悟り
昨日の作戦は完全に失敗したが、一つ重要な部分を悟った。それが悟りか勘違いかは次回の作戦で判明されることになる。
捜査の基本はgain of function (GoF)とloss of function (LoF)の2つのカテゴリがあり、腕の良い捜査員はこれら2つのカテゴリを巧みに組み込み犯人を追い込んでいく。
先日大炎上してしまった作戦は狙いはLoFだったが、結果的にGoFになってしまい、炎上。。。
作戦にはろいろな手法があるが、薬物を持ち込むことが多い。この手の作戦は簡便ではあるが、後の解釈が難しい。昨日は薬物作戦。具体的捜査情報は公開できないが、2つの拮抗する薬物の効果を試す作戦だ。抗がん剤入れて、次に発がん性物質を加えるような、アホくせえ作戦だ。結果は前述したように失敗。
で、何を悟ったかというと、情報伝達系と脂質代謝経路において、タイムラグが存在するとのこと。脂質代謝に関わる特定情報伝達系のスウィッチを切ってもある程度の時間まではなんの影響も現れないこと。
このような現象が起きるのは細胞が脂質代謝の前駆体をプールしている可能性を示唆するのではないかと考えた。
同じ作戦を繰り返すのは好みじゃないが、同様な作戦に張り込み時間を長く設定し奴らのプールを枯渇させる作戦に変更。長い張り込みは疲れるが、まぁ、仕方ない。
今週末は久しぶりにランナーごっこの予定だったが、どうやら作戦仕込みに消費されそうだ。