元ランナーの捜査日誌

日常のお話です。(今後未定)

脱毛症の捜査はやっぱり禿しい

朝から読み入ってしまった9月18日発表の捜査結果

Olfactory receptor OR2AT4 regulates human hair growth

Nature Communications

ニオイ受容体は、言葉とおりニオイを感知する受容体であるが、嗅球のみならず、実は、いろいろな組織で発現しているようだ(理由はよくわからない)。その中では皮膚keratinocyteで発現している受容体もあり、OR2AT4がその一つである。特にOR2AT4は毛包に存在するという。

受容体は特定の物質に反応して細胞応答を引き起こすタンパク質である。細胞が重要体を持つのは、外部情報を敏感に感知して、その情報を細胞内部に伝え、適切な細胞応答を促すためである。全く意外なことだが、毛包のOR2AT4は髪の毛のサイクルを調節し、髪の成長を促すという。

OR2AT4の内在性のアゴニストはまだ不明であるが、synthetic sandalwood odorant (Sandalore®) により活性化され、Phenirat®により活性が抑制される。


捜査結果には細胞死の抑制に関するデータがあり、抜け毛の抑制に役立つかも知れない。


因みにSandalwoodは香木(白檀)である。
*臨床捜査ではないのでくれぐれも試さないようにお願いします。

興味ある方はこちらに
https://www.nature.com/articles/s41467-018-05973-0


これは別にして、何にびっくりしたかというとその反響だ。

発表して2日しか経ってないのにすでにArticle metrics がこれだけの数字を記録しているのは、その反響の強さを物語っている。

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